Kすけ日記

32歳独身一人暮らし男とネコ

ホムンクルス ~トラウマの具現化~

こんばんは。
サブスクどハマりおじさんです。
この1年、新型コロナの影響で生活スタイルが大きく変わりました。
今まで興味が向かなかったことに目が留まるようになり、いろんなサブスクに手を出してしまっています。
NETFLIXもその1つ。「映画鑑賞は単なる娯楽。時間やお金の無駄遣い」という意識があり、自宅で映画を見る事はほとんどありませんでした。
しかし、自粛生活の中で様々なジャンルの映画を鑑賞するようになり、その楽しさに気づいてしまいます。
更に、決して無駄な時間ではなく、そこから得られる「学び」みたいなものもたくさんあるという事にも気づきました。
暗い世の中になってしまいましたが、新しい事を始めるチャンスなのかもしれないですね。


今日はNETFLIXで鑑賞した、映画「ホムンクルス」についての感想です。
まずは簡単に内容の紹介から。

【あらすじ】
車で路上生活送る記憶喪失の男、名越。彼の前に怪しげな男が現れる。
特殊な手術により「脳の潜在能力を最大限に活かす」という怪しい実験を行う伊藤。
その実験台になるよう名越に迫る伊藤。
名越は記憶喪失になっているという事もあり、7日間という期限付きで実験台になることを了承。
手術によって不思議な能力が覚醒した名越。左目だけで人を見ることで、心の歪みが具現化されて見えるようになる。
その人のトラウマによって形成されたそれは、伊藤によってホムンクルスと名付けられる。
名越がトラウマを抱えた人間と接触し、根本原因を取り除くことでホムンクルスは消えていく。
しかし消えたはずのホムンクルスは、なぜか名越の体の一部として転移していく。
ホムンクルスの転移を恐れた名越は実験中止を訴える為、伊藤が勤務する病院へ。
そこで謎の女チヒロに遭遇。彼女にもホムンクルスが見えるが、他の人間とは違う何かを感じ取る。
彼女との接触により、失われた記憶を取り戻していく名越。そこには悲しい現実が待ち受けていた。。。



人間が抱える「闇」のようなものを、独自の視点で表現した作品。
グロテスクな表現も多々ありましたが、徐々に世界観に引き込まれていき、とても面白かったです(終わり方が微妙)。
原作である漫画は10年以上前に途中まで読んでいますが、内容をほとんど覚えていません。
もう1度原作を読んでみようと思わせてくれる作品でした。


劇中の終盤、名越が伊藤に向かってこのようなセリフをぶつけます。

『俺たちは見てほしいばかりで相手を見ていなかった。相手を見ればそこに世界が生まれる』

対人関係において重要なことを表したようなセリフだと思いませんか?
実は最近読んだ書籍にも、似たような記述がありました。
樋口耕太郎さんの沖縄から貧困がなくならない本当の理由 (光文社新書)という本です。
本書の核心的な部分で『人の関心事に関心を注ぐ』という内容の一節があります。
詳しい内容を書くことは控えますが、この一節のメッセージが強烈に印象に残りました。
その内容をひと言で表したようなセリフだなぁと思いました。

 

 

人からどう見られているのか、嫌われていないか等、対人関係においての悩みは尽きる事がありません。
アドラー心理学でも「すべての悩みは対人関係にある」と解釈するほどです。そんな悩みを抱えてしまうのは仕方のない事なのかもしれません。
これからも付きまとうであろう対人関係の悩みに対して、本質的な向き合い方を諭してくれたようなセリフが、胸に刺さりました。

 

映画「ホムンクルス」。気になった方はぜひ観賞してみてください。

www.youtube.com